人を想う

 9月二度目の連休は大きな予定もなく、久しぶりにゆっくりと過ごすことができました。

やっと時間ができたところで、ある人を訪ねてきました。

その方は以前、当院へ通われていた患者さんで、当時はご高齢のお母様と一緒に通われていました。通院されていた当時、私の名前を文字どったオリジナルの詩やご自身の撮影された写真を頂いたりしました。

ところが、この患者さんは、ある時期から諸事情により通院できなくなってしまいました。それでも、時々、ご自身やお母様の近況を知らせるお手紙や、医院宛に暑中見舞いや年賀状など、たびたびお便りをいただいておりました。

頂いたお手紙の数々

先月、頂いたお手紙には、体調を崩され入院されたとのこと…すぐに返事を書くことが出来ず、1か月たってしまいましたが、入院中の病院へお見舞いに行ってきました。心配しておりましたが、お元気そうな姿を見て、一安心。短時間でしたが、いろいろとお話することができました。お母様もお元気とのことで何よりです。いつまでもお元気でいらっしゃることを祈り、また会いに来ることを約束して病院を後にしました。

 通院することができなくなったにも関わらず、医院やそこで働く私達の事を気にかけ、こうして繋がり続けてくださる患者さんに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 誤解を恐れずに書きますと、当院では普段から多くの患者さんからお心遣いを頂くことがあります。

お家の畑でとれたという新鮮なお野菜や果物だったり、お出かけされた際のお土産だったり、大きな置物や、小さな飾り物、御礼のメッセージなどなど…

紹介しきれないあるいは医院に飾り切れないものもたくさんあります。中には、他の患者さんの前で御礼されたくないからと、母屋にこっそり届けてくださる方もいます。そしてまた、患者さんだけでなくスタッフも同様です。お野菜や果物、旅行のお土産などを度々届けてくれます。

昔、母にこんな話をされたことがあります。

 父が幼い頃から祖父は内科医として開業しており、当時は今よりもはるかに暮らしが貧しかったため、診察を受けても治療代を払えない患者さんも多かったそうです。そうすると、治療代の代わりにお野菜などを頂くことがあり、食卓にその食べ物が並ぶと、その患者さんのお家でお金と同じくらい最も貴重な物を頂いたのだからありがたく頂きなさいと、祖母に教えられたそうです。

今は、当時に比べれば、暮らしも物も豊かになり、昔のように患者さんが治療代を払えないということはありません。しかし、それだけ豊かになったにも関わらず、その上で、こうした様々なお心遣いを頂けること。

医院にいる時ではなく、医院の外で、ご自宅や旅行先などで、あるいは入院先の病院でさえも、一瞬でも土田歯科医院やここで働く我々のことを想い、いろんな形で気持ちを届けて頂けること。こんなに嬉しく、幸せなことはないと思っています。もちろん、形にせずとも、心の中で想ってくださっている方も沢山いらっしゃると思います。

 私達の仕事は、来院される患者さんの痛みを取ったり、悩みを解消したり、不安を和らげること、歯科医療を通して患者さんの健康作り、人生を豊かにするサポートができればと思っています。自分達の診療で、どれだけの患者さんにそうしたことがしっかりできているかはっきりはわかりませんが、少なくともこうした患者さん一人一人のお気持ちやお心遣いに元気や勇気、エネルギーを逆に頂いていることは確かです。

「患者さんもスタッフもみんなが家族」という院長の想いが医院に根付いてきている、そんな気がしています。

 たくさんの患者さんやスタッフの「想い」にしっかりと応えられるよう、自分たちができることを日々精一杯やっていこうと思います。

今後とも、土田歯科医院をよろしくお願いいたします🙇🙏