大切なことは

 昨日は土曜のため午前診療。

いつもは診療室で終礼を行いますが、この日は待合室でテレビを見ながら…

理由は、毎週土曜のお昼に放送している情報番組「昼ドキ!TVやまがたチョイス」にて、白岩の学童さくらっこクラブから6年生の男の子2人が12日に行われる「第13回もふもふまつり」の宣伝のために出演するとの情報が!2人とも当院の患者さんでもあるため、早々に終礼を終わらせ、一同テレビに釘付け…

2人とも緊張の面持ちでしたが、立派にお知らせしていました!

来週のお祭りには当院も招待参加させていただく予定です!

みんなで楽しいお祭りにしましょう(^^♪

そして夕方からは、槙子先生と2人、上山温泉へ🚙

たまには2人でゆっくりと温泉に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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つかれるはずもなく(-_-;)

岩手医科大学歯学部山形県同窓会秋季学術研修会に参加してきました!

今年度は「早期口腔がんの見つけ方-そのポイント-」というテーマで茨城県石岡市の石岡第一病院口腔外科部長 萩原敏之先生よりご講演いただきました。

今年初めに芸能人の堀ちえみさんが口腔がん(舌がん)を患い、マスコミで話題になったのも記憶に新しいかと思います。

口腔がんといってもその病態は様々で、舌、口唇、頬粘膜、歯肉、口蓋(口の天井)、口腔底(舌の下)など口の中のあらゆる部位にがんはできる可能性があります。

(上記写真は、「一般社団法人 東京都杉並区歯科医師会HP」より引用)

www.sugishi.or.jp/archives/1502

講演の中では、「10秒テスト」と称して、10秒間ずつ様々な症例写真を提示していただき、がんとその他の病気を判別し、診断する30問のテストも行われました。(非常に難しい!)

堀さんも、当初は口内炎との診断で治療を受けていたと報じられていましたが、初期の口腔がんは口内炎と非常によく似ており、視診のみで判別するのは容易ではありません。実際には、触ってみたり、痛みやしびれの有無など、総合的に診断することとなります。

しかしながら、萩原先生のように普段から専門的にこれらの病気を診断されている先生でさえも、その判断には迷ったり、悩んだりすることも多々あるとのこと。さらには、口腔がん患者は増え続けているにも関わらず、早期がんの発見が遅れている現状があるとも…命に直接かかわってくる病気であるだけに、私達開業医も普段から注意深く患者さんの口の中を観察しておかなければならないと改めて感じました。

また、講演の中で印象的だったことは、日本とアメリカで比べてみると、日本では口腔がんによる死亡者数は年々増えている一方で、アメリカでは年々減少しているということです。

その理由はなぜなのか…

それには、日本とアメリカの歯科の受診理由からくる通院事情に差があるということです。

アメリカには、日本のような国民皆保険制度がありません。医療技術は進んでいるアメリカですが、その分治療代も非常に高額になります。そのため、アメリカ国民は病気になってから受診するのではなく、いかに病気にならないかという「予防」という考え方が一般的であり、痛み等の症状がなくとも定期的に歯科受診をしているそうです。一方の日本は、国民皆保険制度により、先進国間でも群を抜いて安価な費用で治療を受けることができます。しかし、そのために、日本では「予防」という概念が育たず、痛みが出てからなど問題が起こってから歯科受診するという文化が一般的となってしまいました…

定期的な受診と、不定期(歯科の場合は特に)な受診では、むし歯や歯周病はもちろん、口腔がんという重病の発見率やその死亡者数に大きな差が出てしまうことは火を見るよりも明らかです。

そしてまた、普段私達が患者さんを診察していても感じることですが、定期的に通院されている患者さんと、問題が生じたときだけ来院される患者さんでは、後者の方が圧倒的にお口の中の環境がよくない、すなわちむし歯や歯周病が進行しているということです。お口の中の環境が良くないと、それだけでも発癌母地(がんが生じる基盤)が作られるということ。むし歯や歯周病により、歯がボロボロになったり、抜け落ちてしまい、噛む能力が低下してしまうと、食べ物を上手くすりつぶせず、飲み込み時に口や喉の粘膜を傷つけたり、入れ歯による傷が発癌の原因になりえること。不潔なお口の中は酸性状況となり、発癌物質が作られ、それがのどや胃腸などの消化器官の発癌をも促してしまうこと。

お口の中を不潔にしていて良いことは一つもありません!

歯科の定期的な受診がいかに大切かを再認識させられた講演でした。

萩原先生、貴重なご講演ありがとうございました!

定期的な歯科受診の意義、大切さを改めて患者さんに伝えていき、口腔がんの早期発見に努めていきたいと思います。