深イイ

 10月最終日の木曜。午前診療を終え、夕方からは西村山地区歯科医師会の月例会がありました。西村山地区は、寒河江市、河北町、大江町、朝日町、西川町の一市四町で成り立っています。毎月の月例会は寒河江市内で行っていますが、毎年10月は移動例会と称し、寒河江市以外の四町を順番に回り、月例会を行っています。今回の移動例会は河北町で行い、河北町長である森谷俊雄氏より、「河北町の現状と課題」というテーマでご講演いただきました。

講演の中で大きく取り上げられたことは、やはり人口問題。河北町の人口は現在約18000人と西村山地区では寒河江市に次ぐ規模ですが、推計では2040年には約13000人にまで減少する見込みであるとのこと。少子高齢化による人口減少問題は、日本全国どの自治体においても、町づくりを考える上では避けては通れない最重要課題だと思います。そういった中で、河北町は、町自体の面積もコンパクトであり、寒河江市、天童市、東根市、村山市の市に囲まれた県内でも唯一の街であること。その隣接した河北町よりも規模の大きい市街地からの恩恵を生かした町づくり、根幹には医療と教育の充実をはかり、町の人口減少を緩やかにできるよう考えられた方策を様々な観点からお話いただきました。また、現在建設中の新しい町役場についてや先日の台風19号上陸の際の、町の対応に関する課題や反省点などもお話しくださいました。

自治体として町づくりに関する基本的な方針等は、住民にとってはやはり大きな関心事だと思いますが、一方で近年、今回の台風19号のような大規模自然災害は毎年のように全国各地で頻発しており、防災に関する対策についても大きな関心が寄せられていると思います。これまで以上に重点的に対応しなければならないのはもちろんのこと、これまでの常識に囚われず、柔軟かつ臨機応変に対応できる町づくりが求められている、そんな時代になってきているように思います。

そうした中で、今回の講演の中で最も印象的だったことは、森谷町長が普段から町の職員にお話されていることとして、「生き残るのは強い者や賢い者でもなく、変われる者」であるということ。会場で聴講していた多くの先生方が、深く頷いていました。

我が国日本は、世界でも類を見ない超高齢社会、少子化が進み、人口減少は避けられず、一国家として重大な危機に瀕しています。おそらくどの業界においても、これまでの常識が覆され、この局面を乗り越えるための新たな方策が問われていると思います。歯科業界も然り。「虫歯の洪水」と言われた昭和の時代には黙っていても患者さんは歯科医院に列をなしました。しかし、平成、令和の時代に虫歯は大きく減少。高齢者が急増していることにより、虫歯や歯周病だけでなく、物を噛む、飲み込みといった口の機能の低下に関する問題や、在宅での訪問診療など新たな分野への参入は不可欠です。その他、歯科医師過剰問題、歯科衛生士や歯科技工士の不足問題、働き方改革などなど…

まさに生き残りをかけるには、変わっていくしかない…

私達、歯科医師にとっても心打たれる、そんなお言葉でした。

まさに!

講演会後は、森谷町長を囲んで懇親会が行われ、大盛況の移動例会となりました。

森谷町長、貴重なご講演ありがとうございました!河北町がますます発展されるよう応援しています!!

懇親会後、寒河江市内に移動し、今回は少人数で二次会へ。

森谷町長の深イイ話に感銘を受けるも、人口減少問題をはじめ、将来がいろんな意味で不安になり、なんとなく凹んでしまっているのも事実…

そんな中、二次会である先生が仰っていたことは、笑うことの大切さです。巷でも耳にすることがありますが、笑うことによりβエンドルフィンという神経伝達物質が脳内で放出され、それにより多幸感などが得られるというもの。普段から口角を上げて、笑顔でいるだけでも放出されるのだとか。その先生が好きな言葉である「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」というアメリカの哲学者の言葉を教えていただきました。

自他ともに認める、超超超ネガティブ人間の自分にとっては衝撃的な言葉でした。思い返せば、小さいころから、母や姉に「もっと愛想よく」「笑顔で」と常々言われてきたことを思い出し、自分の脳内にβエンドルフィンは不足しまくっていたのではないかと…

その日二回目の

酔いも相まって「明日からは自分なりに少しでも、口角を上げて、笑顔で過ごしてみよう!笑って生きてみよう!」そう思いながら、眠りにつきました。

次の日。寝惚け眼で起きて第一声は、

「眠い…くたびっだ…」

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